自分の身体を手に入れた話

「自分の身体を手に入れる」と言うのは何とも不思議な事かと思います。

38年生きて、最近ようやく自分の身体を手に入れたのだと日々実感しています。

そう思った理由や経緯について話したいと思います。

まずは私は女性です。

遡る事、小学生の頃。

当時「買ってはいけない」などの食品添加物や農薬を敵視するような本が流行り、学校の担任がそう言うものに感化されてそのとばっちりを授業という形で受けるハメになりました。

食品添加物や農薬を使った食べ物を食べると身体に悪いし、生まれてくる子どもにも悪影響があると教えられました。

その時の私は非常に真面目でしたので間に受けました。

とは言えジャンクフードの美味しさは真面目を上回って駄菓子を辞めることはできませんでした。

ですので、ジャンクフードや駄菓子を食べると脳裏に「生まれてくる子どもに悪いかも」と、私ひとりの身体なの将来の確定していない事象に囚われる事となりました。

次にある政治家が女性について「女は産む機械」と言う発言にショックを受けました。

非常に酷い話で、私の身体は私のためのものではなく政治家にとって「機械」と言われ人格を否定されたのが非常に辛く感じました。

その為、女性が人として認められるまで、できれば子どもは産みたくないと思いました。

しかし、結局2021年になっても政治家の「女は産む機械」と言う考え方はあまり変わっておらず落胆しています。

そのうち大学に入学するも、就職氷河期の煽りを受けて新卒カードを得られないまま非正規で渡り歩き、精神を病み、200万ある奨学金もいまだ返済できず、色々あってこの年まで結婚する事ができませんでした。

ですがそのおかげで妊娠適齢期を過ぎる事ができ、「産む機械」から皮肉にも卒業する事ができました。

ようやく政治から利用される事もなく、自分の身体を手に入れる事ができて満足しています。

食品添加物もほどほど良いお付き合いをしています。

生まれてくる子どもに気兼ねなく私の人生を送れるのは嬉しい。

ただ、人生が順風満帆で結婚してこの人の子供が欲しいと思ったら産みたかった事はありました。

それでも「産む機械」という呪いへの腹立たしさは消えません。

願わくば、女性が正しく人として尊重される事はもちろんのこと、女性の妊娠出産を軽んじる男性全てが生まれ変わったらハイエナのメスになって尿道から子供を産んで辛い目にあって欲しいと願うばかりです。